コーヒーの豆知識
ここでは一般的に認識されているコーヒーに対する誤解や、知っていると 得する(?)ウンチクなどについて簡単にまとめてみようと思います。 より深いコーヒーの世界に興味がある方必見です!
- コーヒーは煎りたてが一番うまい?
挽きたての淹れたてのコーヒーがベストなのは無論ですが、煎りたての 状態というのは同じ生鮮食品である野菜に例えるならアクを取る前のものと同等と言えば分かりやすいでしょうか。
それはつまりどういう事かというと、豆は煎りあげてからガスが抜けきるまで 六時間から半日(その時期の気温による)かかります。実際この煎りたてを 淹れて飲んで見ると分かりますが、舌を刺すような「ピリッ」とした刺激を感じます。これがガスの仕業で、その存在がコーヒー本来の味わいを邪魔してしまう という訳なのです。 …しかしながらこれはあくまで私個人の意見としてはあまりオススメ出来ない という話で、味の好みの違いと言ってしまえばそれまでですから絶対という事では ありませんが。
とはいえそのガスが抜けたピークを境に味も香りもドンドン落ちていくのは 事実ですから、ご購入の際は他のにおいが移らない様しっかりと密封して 冷凍保存し、なるべく早めに飲みきる事をお勧めします。
- コーヒーの飲み過ぎは胃に悪い?
確かにカフェインの過剰摂取は、個人差もありますがそれによる交感神経等への影響も否定出来ません。しかしながらこの迷信の起因の一つは、一般的に飲まれているコーヒーが残念ながら古い豆(焙煎してから長期間経過した物)で淹れられている物が多いという現実によるものではないかと思われます。
例えば、同じコーヒーでも何杯飲んでも平気だったり、たった一杯でも胸焼けがする事があります。
これはどういう訳かと言うと、コーヒー豆を焙煎する際に生じる油分の時間経過による酸化が原因です。つまり古い油で揚げたフライ物が後で胃に来るというアレです。そういうコーヒーはよく見ると表面にうっすらと油が浮いて見える事すらあります。せっかく飲むのなら身体にも優しい新鮮なコーヒーの方がいいですよね?
更にその芳醇な香りは、あなたをより深い安らぎへと誘うことでしょう。- アメリカンはカフェインが少ない?
『レギュラーをお湯で割ったらアメリカン』なんて言葉もありますが、みんな知ってるにもかかわらずこれほどこのコーヒーの定義があいまいなコーヒーというのも他にないでしょう。元を正せば、かの国で一日中水代わりにガブガブ飲む為、少し薄めに淹れたコーヒーというのが一番その由来に近いものだと思いますが、ここではあえて浅煎り豆で淹れたコーヒーに限定してお話をさせていただきます。
浅煎り豆のコーヒーより深煎りの方がその口当たりのせいか“苦い=カフェイン多い”と誤解されている方が非常に多いと思われます。が、実はその逆です!コーヒーは煎りが深まるほどカフェインが飛ぶのでその残有量は減っていきます。つまり浅煎り豆の方がカフェインが強い(多い)のです。
さらにコーヒーに含まれる繊維質も煎るほどに分解されていきますから、浅煎り系より深煎り系のコーヒーの方がカフェインの量も少なく、胃にも優しいという事になるのです。いかがです?意外でしょう !?
- コーヒーとワインは兄弟?
「えっ?」と思われるかもしれませんが、確かに共通点は驚くほど多々あるのです。
まず一つは、皆さんもご存じの通り原材料はそれぞれコーヒー豆とブドウですが、いずれも同じ農作物であり自然の産物の宿命として気候等の影響でその年毎の出来不出来によって味わいに差が出てしまうという点。
次に保存が利くという事。コーヒーは煎ってしまうと生鮮食品となりますが、生豆の状態で管理状態さえ良ければ(湿度の低い冷暗所)何年でも持ちます。
ただワインとの違いは、こちらは熟成が進むというよりむしろお米に近い変化(古米、古古米といった風に)をするので、新しい豆特有の若々しい風味は失われます(その代わり、水分含有量が一定することにより焙煎は容易になります)。 しかしながら数年寝かせた豆を「オールドビーン」といって、これもまた味わい方の一つとして嗜好者がいるのも事実です。そしてワインは栓を抜いてすぐよりも、しばらくおいて空気に触れさせた方が香りが花開いて最高の飲み頃を迎える様に、コーヒーも前述の通り焙煎してしばらく置いたものが一番の飲み頃で、そのピークを過ぎると後はどちらも酸化が進むので早く飲みきってしまうのがベターという点。
味わい方もその色合い、香り、そして口に含んだ時に広がる酸味、苦味、渋みとコク、そして甘味を楽しむという事。
いかがです?以上ざっと並べてみましたが、これだけでも「なるほど」と同感された点も多かったのではないでしょうか?